快適な黒岩山から長者原への縦走








牧の戸から黒岩山を望む
牧の戸から黒岩山を望む


泉水山への縦走路で
泉水山への縦走路で


絶景ポイント、上泉水山頂から長者原を望む
絶景ポイント、上泉水山頂から長者原を望む


 登山基地「牧の戸」を出発する登山者のほとんどが、久住山、中岳、稲星山、天狗ヶ城などを目指して、沓掛山の急坂を登っていく。
 目を北東に転じると、なだらかな丘陵に、赤い屋根の「あずま屋」がポツンと立ち、その後方に、低い山がどっしりと座っている。「黒岩山」である。


 登山道は、「あずま屋」の横を通り抜けて、山頂までほぼ一直線に幾筋にも別れて山肌を削っているが、どの道を選んでも約40分程度で山頂に登ることができる。この山頂からは、「地蔵原の地熱発電所」や「筋湯の湯煙」、そして「涌蓋山(わいたさん)」のなだらかな裾野が美しく見渡せる。また、久住方面の眺望も素晴らしい。
 登頂の容易さから低く感じるが、ここの標高は1503mで西に聳える「涌蓋山」より僅か3mだが、こちらの方が高い。


 ひと息入れたら、山頂の岩場を東へと下り、草原上のゆるやかな道を暫く進む。20分も歩くと、左の足元に「縦走路」と書かれた小さな案内板を見て、やがて目の前に立ちはだかる、小岩峰の右下を巻いて進む。
 なだらかな草原を下っていくとやがて「上泉水山」の登り道が左に別れている。黒岩山山頂から、35分〜45分と言ったところか、ここから山頂までは10分程度、さらにこの地点から長者原への下り道を示す道標があるが、この道は急傾斜と岩場の連続でかなり危険である。踏み込まない方が良いだろう。


 鈍頂の「上泉水山」に別れを告げて、目の前に立ち上がっている「下泉水山」へと一旦下がって僅かに登る。約25分で「下泉水山」の山頂である。時間や体力の都合では、「上泉水山」には登らずに、そのまま進めば、約20分で「下泉水山」に到着である。このコース最高の絶景ポイントであるこの山頂までゆっくり歩いても、「牧の戸」登山口から約二時間足らずで到着する。
 好天に恵まれれば、やまなみハイウエイや長者原温泉の湯煙を見下ろしながら歩く道は、起伏も少なく歩きやすい道なので、初めての人でも快適な縦走を楽しむことができるうえ、歩きながら、コースの全体像が常に見渡せるので安全度は高い。


 山頂からは、長者原の谷を隔てて、東南に「三俣」「硫黄山」「星生山」がどっしりと立ち並び、南に「沓掛」そして三俣山の後方に「平治岳」と「大船山」が聳え立ち、その間から「黒岳」も小さく顔を覗かせている。まさに九重山系の大パノラマである。


 帰途は、今来た道を引き返せば一時間半で「牧の戸」に帰り着くが、山頂をそのまま北東に進めば、道は次第に高度を下げ、平坦な灌木林を抜けて、草原状の台地に出てくる。ここからは生い茂った下草の間の細道を南へと辿れば長者原のキャンプ場に着く。共同炊飯場の前を直角に曲がって、渓谷に掛かる橋を渡れば、目の前が長者原のバス停である。山頂からちょうど一時間。「牧の戸」に車を置いてきた人は、ここからバスで5分(290円)である。この周辺には長者原、湯坪、筋湯、黒川など温泉が多い。暮れなずむ山々を眺めて、露天風呂にゆったりと体を延ばし、さらなる山への活力を養って貰いたい。





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