クライマー&ウォ−カー
由布岳
文・写真/山下 弘








合野越の標識

▲合野越の標識

合野越から由布院を望む。あいにくこの日は霧がかかって視界が悪かった

▲合野越から由布院を望む。
あいにくこの日は霧がかかって視界が悪かった

「マタエ」の標識

▲「マタエ」の標識

岩の間に道がある東峰の山道

▲岩の間に道がある東峰の山道

東峰の途中から西峰を写す。写真で見てもスリル満点

▲東峰の途中から西峰を写す。写真で見てもスリル満点

湯けむりが 朝霧に舞う 旅の宿

 「鳥料理、辻馬車、温泉、由布の山」多彩な楽しみが期待できる大分県の名勝由布市だが、由布院を訪れた方が必ず眼にされるのが、町並みの北側にどっかりと聳え立つ特異な双似峰、由布岳であろう。この町のシンボルとして四季折々の美しさに包まれ、老若男女を問わず限りなく親しまれ続けてきた山である。

 由布岳の登山口は、由布市の北端「岳本」から、いきなり「合野越」に直登するコース、隣の鶴見岳からの縦走コース、さらに塚原高原から直接山頂のお鉢へと登るコースと多彩だが、ここでは一番ポピュラーな正面コースを紹介しよう。

 市内から別府・大分方面へのバスに乗り、一軒茶屋のバス停で降りれば正面が登山口である。ちなみに、ここの標高が780mなので実際に登るのは残りの約800mを登ることになる。宝満山の標高が830mであることを思えば小学生でも簡単にクリアできるだろう。

 登山口から正面の山に向かって草原の一本道を歩く。原生林に入って20分程で見晴しの良い高台に出る。ここが合野越と呼ばれる展望台で、目前に倉木山がどかんと鎮座し、今歩いてきた草原から辺り一面が緑に覆われ、且つて観た映画「緑の魔境」を思わせる一面のパノラミックグリーンに眼を奪われる。

 一息入れたら、いよいよこの山の独特の九十九折れの山道を登るのだが、道はそれほど急坂ではないので、ゆっくりと登っても約一時間でマタエと呼ばれる場所に登り着く。

 ここは大昔に噴火してできた噴火口の周辺で、ここから山は東峰と西峰とに分かれている。

 子供から一般向けは東峰で、ゴツゴツとした岩が重なり合って恐ろしそうに見えるが、岩の間に道があるので10分程で東峰の山頂に立つことができる。

 ここからの眺望は素晴らしく、天候に恵まれれば隣の鶴見岳から別府湾、そして四国の沿岸までが視野の内である。

 一方、西峰へ登るコースは上級者向き。東峰からマタエに降りて来るときに西峰の絶壁が良く見えるので、確認されると解るだろう。「障子戸」の岩壁と「馬の背」の岩場は鎖は付いているが、かなりスリリングである。また、東峰の山頂から「お鉢めぐり」と称して旧噴火口を一周するコースもあるが、結局最後には、この絶壁を下ることになるので、こちらのコースも上級者以外にはお勧めできない。

 由布岳は、天候の急変が名物でもあり、特に山頂付近では突如として霧が発生したり、にわか雨に見舞われることがあるので、用心の為にも「雨具」を準備することをお勧めする。万全の準備と細心の注意が、楽しい登山の必須条件であることは言うまでもない。

 無事に登山を済ませて、由布院温泉の柔らかな湯に身を浸すことを楽しみに、単独で、グループで、ご家族で山に登る楽しさを充分に味わっていただきたい。


>> 今回の登山ルートはこちら



本サイトは、凸版印刷(株)が運営しています。
Copyright(C) TOPPAN PRINTING CO., LTD. All rights reserved.