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桃も桜も過ぎて、いよいよ行楽に運動にと体を動かすのに最適な季節の到来である。山々は明るい新緑に覆われ、各地で山菜狩りや花々の鑑賞会が盛んになってくる。まずは、冬の寒さで強張っていた体をほぐすための軽いハイキングコースとして登れる「可也山」を紹介しよう。 糸島方面へドライブをした方は、唐津方面へ向かって前原を過ぎたあたりで、右手に聳える富士山に似た山を見た方も多いと思うが、この山が「可也山」である。私は加布里漁港から見た姿が一番美しいと思うので、写真の好きな方は是非一度ファインダーを覗いてみてはいかがだろうか? 登山口は東側の師吉からと南側山麓の小富士梅園からの2つが一般的である。 師吉登山口は、バスの場合は筑前前原駅前を右へ2分程進み、南本町2号の信号を左へ曲ると少し行ったところにバス発着所がある。師吉経由の芥屋行きに乗って、師吉公民館前で下車すれば、目の前が登山口である。車の方は、国道202号線の筑前前原から芥屋方面へと右折して加布羅の信号を北へ直進すれば間もなく夫婦橋のバス停、左へと橋を渡り直進すると突き当たりが師吉公民館のバス停(登山口)である。登山者用の駐車場やトイレ、小さな商店もあるので、ゆっくりと身支度を整えることができる。 歩き出すと2〜3分で師吉の部落を過ぎ、ミカン畑を見る。標識に従って左折すれば、あとは山頂まで歩きやすい一本道が続いている。途中「石切り場」を見て第一展望所までは急な階段が続くが、後は、なだらかな稜線を可也神社などを散策しながらゆっくり歩いても20分程で山頂に立つ。 この山は、山頂直前まで潅木に覆われていて、第一展望台以外はほとんど眺望が無いのが特徴であるが、それだけに山頂に立って一度に「パッ」と視界が開けた時は素晴らしい。山頂は狭い草付きの台地で糸島半島を隔てて西の姫島、南西に浮岳、晴れていれば壱岐までが見渡せる。 可也神社の半ば消えかかった案内板に、万葉集から一首が記されている。 草枕 旅を苦しみ恋居れば 可也の山辺に さ男鹿鳴くも ふきつのる嵐を避けて、この山陰に風を逃れつつ前途の無事を神に祈り、留守を託した妻を恋う姿、そして波高き玄界灘を渡り切って、健やかな姿で再びこの山を見ることが出来た遣新羅使たちの喜びの声など、歴史に埋もれた史実に思いを馳せ、ゆっくりと景観を楽しんだら、帰途は往路と同じ道を下るのが良い。師吉登山口まで40〜45分で着く。 小富士梅園から登る方は、バスなら前原営業所(前述)から小富士経由の芥屋行きに乗って小富士東下車、車の場合は、小富士東のバス停北側に駐車スペースがある。鳥居の西側を少し登ると、登山口の小さな木札を見る。ここを左折して右側に納骨堂を見たら、右折して山道に入る。ここから15分で支尾根のピーク、さらに急坂を25分ほどで稜線に出る。師吉からの道と合流して、左へ少し歩けば可也神社に至る。こちらの道は急坂ではあるが危ない場所にはロープがあるので危険は無い。 いずれのコースも、五月晴れの一日、ご夫婦や子供連れでも安全に充分楽しめるコースである。
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