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九州本島では、中岳の1791mについで大船山と並び、第二の高峰である久住山には瀬の本、牧の戸、長者原、吉部、沢水、赤川など多くの登山口があり、それぞれに特徴や好みがあるが、今回はこの中でも、もっとも利用者の多い「牧の戸峠」からのコースを紹介しよう。
牧の戸峠は「やまなみハイウェイ」の最高地点で標高1330mの高さにある。山頂までの到達時間が短いことと他のコースに比べて体力的に楽なので人気があり、休日はもとより平日でも天気が良ければ、かなりの登山者が引きも切らずに登っているので道に迷う心配はない。売店で水を補充し、トイレを済ませたら南側の舗装された登路を登る。ウォーミングアップする間もない、いきなりの急坂に息が切れるが、急がずに一歩一歩踏みしめながら登ると10分程で最初の展望台に到着する。振り返れば「黒岩山」や「泉水山」が眼前に横たわり、その彼方に「涌蓋山」が秀麗な姿で聳えている。
ここからさらに10分余りで狭い「沓掛山」の山頂に登り着く。小さな起伏の尾根を10分も歩くと道はいったん下り、よく整備された道幅の広い遊歩道がわずかな登り勾配で続いている。約40分で最初の岐路である「扇ヶ鼻」への分岐点を通過して道は西千里ヶ浜へと入って行く。道の左(北)に「星生山」の綾線を仰ぎつつ巨大なケルンの並ぶ道を進む。やがて前方に久住山が姿を見せると道は「星生崎」の南端をかすめて岩ゴロゴロの中へと入って行くが、ここを乗り越えるとすぐ下に避難小屋の屋根が見えてくる。扇ヶ鼻への岐路から30分程の距離である。
ひと休みして歩き出すとすぐに「北千里ヶ浜・法華院・坊ガツル」方面への分れ道を左に見て過ぎる視線の先に「硫黄山」の真っ白な噴煙が白い柱となって天に突き上げている。余談だが「この煙が空に向かって真っ直ぐに登っていれば山は晴れ、麓の方へたなびく時は天気は悪くなる」と言われている。地元の人々の言い伝えだが覚えて置くと便利である。避難小屋から山頂まではゆっくり歩いても30分の距離である。道は急坂になり山頂に近付くにつれてゴロゴロの石を踏んで進むが浮き石が多いので石を落とさないように注意しよう。
山頂からの眺望は四方にさえぎるもののない雄大な絶景である。ゆっくりと食事をして景観を楽しんだら、今来たコースを引き返して温泉でゆったりと疲れをほぐすのもよし、体力のある人は「中岳」「天狗城」と回って御池に写る逆さ久住の姿を楽しむも良い。久住山域にはそれぞれ異なった形や植生を持つ11座の山々が肩を並べている。
天候に恵まれれば、ここは登山愛好者にとってさまざまな山を自由に楽しむことの出来る自然の楽園とも言える場所ではないだろうか。 |