クライマー&ウォ−カー


「地島」を歩く






釣りが盛んな殿様波止

釣りが盛んな殿様波止


厳島神社

厳島神社


ヤブツバキ

ヤブツバキ


倉瀬の絶壁

倉瀬の絶壁
 地島への連絡船は鐘崎港から出ている。寄港地は「泊」と「白浜」の2箇所で泊まで15分、白浜までは25分程度である。初めて訪れる方は泊で降りる方が良いだろう。

 集落に入るとすぐ左側に厳島神社が祀られ右手には寺がある。浄土宗西光寺(明徳元年1390年)と記されているのを見ると今から615年前にはすでに集落があったことになり、改めてこの島の長い歴史の重みが感じられる。

 寺の少し先の案内板に従って右へと曲がり、100メートル程行くと道は階段になる。400段の階段を登りきった場所が大敷展望台で天気の良い時は北九州市まで見通すことができる。道はさらに登るが、この辺りから登路左側に素晴らしいヤブツバキの群生が続き、歩き出しから約30分程でこの山の最高点である沖ノ島展望台に着く。

 島影もなく、左手前の岩に小さな灯台が寂しげに佇む。時の空間の中で、ただ茫漠とした海の広がりが都会暮らしで疲れきった感性を鋭く研ぎ澄ませてくれる。

 ここからは、楽な下り道で左右に広がるツバキの大群生に目を奪われながら20分程で豊岡の集落を見下ろす県道に下りて行く。左手に海と集落を見ながら7〜8分も歩くと右手にトイレがある。ここから右折して1.2キロ程で島の最北端である倉瀬展望台に着く。

 東屋があり弁当を開くには最適の場所である。右手の小道を10歩も行くと絶壁の上に出るがここからの展望は素晴らしい。

 帰りは、今来た道を豊岡(白浜)の集落まで引き返して船に乗っても良し、先程のトイレから県道を辿れば25分でスタート地点の泊の集落に着く。いずれにしても船の時間に合わせて余裕を持って行動するに越したことはない。

 なお、この島では毎年2月に吉日を選んでツバキ祭りが行われており、当日は魚介類の即売や、子供達の「みこし」も出て賑わいを見せる。島全体に咲き誇る6千本のヤブツバキも2月中旬から3月の初旬までが見頃であり、島には民宿も三軒あって予約をすれば昼食も出してくれる。

 またドライブコースの周辺には交通安全の神である「宗像大社」や商売の神様「宮地嶽神社」もあり、島では毎年「瀬戸の花嫁」ならぬ「玄海の花嫁」候補との交流会を催しており小さな島に大きな夢を抱く女性を探している。

 花を求めて山を歩くも良し、長い波止の上で竿を振るも良し、静かな民宿で新鮮な海の幸を友として杯を重ねるも良し、早春の小島にはさまざまな夢を育ませてくれる何かがある。ぜひ一度訪れて見ることをお勧めする。

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◎文/山下 弘






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